ショートシアター
恋敵≠空?
「…なぁ」
俺は、窓際に深く腰をおろしてずっと窓を見ている、いや、空を見ている彼女の前の席に座りながら声をかける
「何?」
視線は空に向けたまま、それでも俺の話は聞くつもりらしい
「俺と付き合ってよ」
「いーや」
放課後
自教室には、俺と、空をこよなく愛する、専ら変人で噂の彼女のみ
そんなシチュエーションの中、本日で何回言ったであろう“愛の告白”というヤツを、彼女はいつもの如くスルーした
「…なぁ、何でダメなの?」
これもまたいつもの質問
そして彼女は、
これだけは絶対に変わらないセリフを口にする
「私は毎日変わりゆく空に恋してますから」
……はぁーあ
恋敵≠空?
(俺の思いはそんなもんじゃねぇの!!)
(「?」)
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