星と太陽に魔法の歌を
春の交流祭の会場にやってきた僕らは、懐かしい人たちに会った。僕らが小学生の頃の同級生の男子だ。
「お、深冬に……美影!」
美影の名前を呼ぶのに、間があったのは…美影か英太か迷ったからだろう。美影と英太は、僕でもたまに間違えるほどにそっくりだ。
「智也(ともや)くん。久しぶり!」
美影は微笑んだ。智也は、僕らの友達の1人。
「お前らも来ていたの?…あ、そっちは?」
智也は僕と美影の後ろに立つ、千晴と氷翠と琥白の方を見つめた。
「私の名前は、若竹 氷翠と言います」
「俺は、山吹 琥白だ」
「俺の名前は、水瀬 千晴!深冬と美影の幼なじみだよ」
「智也は、僕らが小学生の時の友達だよ」
僕は智也のことを氷翠たちに紹介し、智也に氷翠たちを紹介した。
「…ねぇ、この祭りさ…冬祭りに似ているよね」
氷翠が会場を見渡しながら言った。冬祭りとは、魔法学校を会場に開かれる冬の祭りのこと。美影を見ると、美影の顔は真っ赤だ。
「冬祭りの時、皆…大変そうだったけど楽しそうだったし、輝いていた。他の祭り以上にね…この祭りも冬祭りと同じ」
そう言って、氷翠は微笑んだ。琥白は「…本当に氷翠さんは変わったな」と氷翠を見ながら呟いた。
「どういうこと?」
僕が琥白に尋ねると、琥白は「美影と仲良くなる前までの氷翠さんは、他人に興味がなく冷たい女の子だったんだよ」と答えた。千晴もうなずく。
「…美影が氷翠を変えたのか」
美影を見ながら、僕は微笑んだ。美影と氷翠は――付き合っている。前に美影がそう言っていた。僕は、それを知らないふりをしている。