星と太陽に魔法の歌を
故郷から帰って来た日から数日が経ったある日。今日は、魔法学校で行われる冬祭りの日だ。去年までは、冬祭りは平日に行われていた。しかし、今年は冬休みの間に行うらしい。
俺は、朔さんと望さんに連れられて魔法学校の冬祭りに来ていた。会場は、多くの人で賑わっている。いつもの光景だ。
「……で、何で朔さんと望さんは俺を…?氷翠や琥白と――あ、そう言う」
俺は、琥白と瑠梨が2人で歩いているのを見かけてニヤリ、と笑った。
「氷翠も美影くんと一緒に行ってるよ~」
朔さんも俺と同じようにニヤリ、と笑った。
「あ、そうだ…俺ら、本当は朔と2人で来るはずだったんだ」
望さんが突然口を開いた。朔さんは、望さんを見ながらうなずく。
「琥白から色々話を聞いていて、千晴くんは多分、冬祭りは行かないだろう、と判断して誘ったんだ」
「……確かに、俺は朔さんに誘われなかったら冬祭りに来なかった…」
俺がそう言うと、朔さんは思い出したかのように「そうだ。今年も花火が上がるらしいよ」と言った。
去年の冬祭りから花火が上がるようになり、去年は深冬と一緒に花火を見ていた。
「……よし。今年は、俺らと見ようよ」
そう言って、朔さんは俺を連れて屋上に来た。