星と太陽に魔法の歌を
最終章~桜が咲く頃、君の元へ~
冬休みが終わり、学校が始まったある日。俺は、体調が優れずに学校を休んでベッドに横になっていた。
「千晴、ご飯食べれそう…?」
母は俺の部屋に顔を出し、俺を心配そうな顔で見た。だるい体を起こし、母を見つめる。
「大丈夫…」
俺は、そう言って小さく微笑む。母は「そう言うと思った」と言って俺に近づき、俺を優しく寝かせる。
「食事は持ってきてあげるから、それまで寝てて」
母はそう言い残して、部屋を出ていく。俺は、大人しくベッドに寝転がっていた。
しばらく寝転がっているとドアが開き、母が部屋に入ってきた。
「無理して食べたらダメだよ?」
俺の部屋にある机の上に昼食を置いた母は、そう言って部屋を出る。俺は、ベッドから出るとイスに座った。
「……いただきます」
そう言って、俺はお粥を手を取った。しかし、中々食欲が出て来ない。俺は、頑張って1口目を口に入れる。
ゆっくりと咀しゃくし、飲み込むとまた次の1口を口に入れる。それをいつもよりも遅いペースで繰り返し、半分を食べた。
「…ごちそうさまでした」
だるい体を引きずってベッドに潜り込むように入ると、俺はすぐに眠りに落ちた。