星と太陽に魔法の歌を
冬祭り当日。俺は、深冬と一緒に祭り会場である魔法学校に来ていた。俺は魔法学校の制服に身を包んでいる。学校がある日に祭りをするため、大体の魔法学校生は制服を着ているのだ。
「――あ、美影だ」
深冬は、氷翠と一緒に歩いている美影の姿を見つけて近寄ろうとする。俺は、深冬の腕を掴んで微笑んだ。何かを察した深冬は、俺に微笑む。
俺は「あ、そうだ!今年、花火が上がるんだよね~」と深冬に向かって言う。
「花火…?こんな寒い時期に?」
「うん。花火は、先生が魔法で打ち上げているんだけどね。しかも、花火を上げようってなったのは今年から、らしいんだ」
そう言って俺はパチン、と指を鳴らした。その瞬間、小さな花火が俺の目の前に現れる。この魔法は、橋本先生が遊びで俺と美影に教えてくれた魔法だ。
「この魔法、空に打ち上げようと思うと莫大な魔力が必要で、空に打ち上げるのは先生でもきついらしいんだ。でも、今年から上げることになった……何でかは俺もよく分からないんだけどね」
そう言って、俺は深冬を連れて人が少なそうな場所へ魔法を使って移動する。
…本当は屋上が良いのかもしれないけど…美影の告白を邪魔するわけには、いかないからね!
「あ!深冬、始まったよ!」
夜空に咲いた花を見て、俺は深冬に言う。深冬は「きれい…」と花火に見とれながら言った。
……来年も深冬と冬祭りに来て、一緒に花火を見たいな。