星と太陽に魔法の歌を
俺は、勢い良く起き上がった。どうやら俺が高校2年生だった頃の夢を見ていたらしい。
「――あ、千晴……」
いつの間にか美影が俺の隣にいる。窓から外を見てみると、日は西に傾いていた。
「もうこんな時間なのか…」
「うん。千晴の様子を見に来たんだ…体調は大丈夫?」
美影は、心配そうな顔で俺を見つめる。俺は「大丈夫だよ。大分楽になった」と言って再びベッドに寝転がった。
「そっか……分かった。明日、無理して来なくて良いからね。…無理しないでよ?じゃあ、僕はそろそろ帰るね」
そう言って美影は俺の部屋を出ていく。俺は、ゆっくりと目を閉じて深呼吸をする。
……最近、悪霊の気配を感じにくくなってる。やっぱり、霊能力が消えかけているんだ…。