星と太陽に魔法の歌を
僕が小学生3年生になったある日のこと。僕は、1人で町を歩いていた。僕の横を通り過ぎた同じクラスの男子がわざとらしく、僕にぶつかってくる。
「あ、深冬…お前、何ぶつかって来てんだ!」
男子は僕の服をつかみ、くいっと自分の方へと僕を引き寄せる。僕は無言で男子を見つめる。
…自分からぶつかって来たんでしょ。
「……何か言えよ!…まぁいい」
男子は、僕を押し倒すようにして離すと足早に去って行った。僕は服に付いた砂を払い落とし、男子を見つめた。今の僕の表情は、無表情だろう。
その次の日、美影たちと学校に行くと昨日会った男子たちが僕に悪口を浴びせてきた。その隣に立っている美影と英太の体が小刻みに震えているのが分かる。
「…ほら、美影くんに英太くん。深冬と居るのを――」
「う、うるさい…」
美影が苦しそうな顔で言った。何かに怯えているような顔をしている。
「美影…」
そんな美影の様子を見た英太は、悲しそうな顔で美影を見つめていた。
「…美影?大丈夫?」
「…っ!だ、大丈夫だよ」
美影は、はっとした顔を見せ、微笑んだ。…無理してるでしょ。何て、口にしたらダメだよね…。
「そっか。じゃあ、もうすぐで授業が始まるから2人とも教室に戻ったら?」
2人は、悲しそうな顔で僕を見るとうなずいて僕の教室を出ていった。僕は、深いため息をつくと席に座る。その間も僕は悪口を言われ続けた。