星と太陽に魔法の歌を
「…もうすぐで授業が始まるんだけど?」

「たまに授業を受けない時、あるんでしょ?」

「…まぁね」と美影は、微笑んだ。

…美影の側にいると、とても心が落ち着く。それに、美影になら何でも話せる気になれる。

その時、授業の開始を告げる鐘が校舎中に鳴り響いた。

僕は、一呼吸を置いて全てを話し始めた。美影は真剣な顔で話を聞いてくれている。

話し終えると、美影は「千晴は、深冬の過去を知らないんだっけ…」と呟く。僕は、ゆっくりとうなずいた。

「なるほど…なら、千晴は深冬を傷つけてしまったんだって思っているのかもしれない。千晴には、きちんと過去を話すべきだと思うよ…千晴と仲直りをしたかったらね…深冬はどうなの?」

美影は、僕に優しく微笑みかける。

「…千晴と仲直りをしたい…千晴には、言わないで。お願いだから」

僕は美影と目を合わせて言った。千晴に、ごめんなさいって言わないと…。

「分かってる。さて、どうしようかな……あ、そうだ…千晴以外の皆になら、言っても大丈夫?」

「だ、大丈夫だけど…」

僕がうなずくと、美影は「分かった」と微笑んだ。
< 21 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop