星と太陽に魔法の歌を



僕は、中学生の頃のことを思い出していた。

僕が中学生の時、僕は1人の友達とケンカをした。きっかけは、友達が普段言わない悪口を本人の前で言ったことだった。

『何で人の事を悪く言うの?全員が勉強を出来るなんて思わないで』

『はぁ?深冬に進学する人の気持ちが分かるの?第三者は首を突っ込まないでよ』

『ふざけんな!進学する人の気持ちを考えろ?…悪口を言われる本人の気持ちがお前に分かるの?』

『実際に悪口を言われたことが無いくせにさ』

こいつ、何も分かっていない。僕と同じ小学校だったくせに。

この次の日、再び悪口を言われるようになった。その主犯は――昨日、ケンカをした僕の友達である男子。



僕は、このことが原因で千晴を避けているんだと思う。あの千晴の言葉が、あの時の記憶を呼び起こされ、また裏切られたように感じ、苦しくなって何も悪くない千晴を傷つけてしまった。

僕はその場で泣き崩れた。美影には、僕の過去を全て話してある。美影は、僕をそっと抱きしめてくれた。

「…大丈夫。千晴なら裏切らないから…過去を全て受け止めてくれるから」

美影の優しい言葉に、美影の暖かい温もりに…心が救われたような気がした。
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