星と太陽に魔法の歌を
「…何か書かれてある」
美影が、空をふわふわと飛びながら呟いた。美影の顔はとても楽しそう。
…そうか。美影は空を飛ぶのが好きだったっけ。
魔法で場所が書かれているが僕たちがいる位置からは、小さくて見えなかった。
「高度を下げてみようか」
千晴が呟くと、僕たちはゆっくりと下へと降りていく。魔法でここの場所が書かれている。僕たちが目指している場所では、無さそうだ。しかし――
「…『篠原商店』。あ…」
僕の顔が青ざめるのが分かる。美影の顔を見てみると、美影はあまり良い顔をしていない。しかし、美影はいつも通りの表情に戻る。
「…ここは違うか。じゃあ、他の場所に行こう」
美影は、笑顔になるとそう言った。僕たちは、うなずいて再び高度を上げた。