星と太陽に魔法の歌を
千晴に頼み、美影を保健室へと運んでもらい、僕が出る3種目め。僕が出るのは、「魔法障害物競走」だ。魔法がかかった障害物を避けていくもの。
僕らがスタート地点に着くと、スタートの合図が鳴った。僕らは、一斉に走り出す。
まず1つ目の障害物は『網くぐり』。僕が網の中に入ると、急に体が重くなる。――重さを2倍にする『増加魔法』だ。
僕は、そんな重い体を気にせずに網をくぐり抜けた。恐らく、最近の悪霊退治で良く体が重くなるために慣れているのであろう。
網を抜け、次の障害物は『ハードル』。僕がハードルを飛び越えようと地面を蹴った瞬間、体が高く空へ跳んだ。――ジャンプ力を上げる『跳躍魔法』だ。この魔法は、自身の体の軽さや魔力と地面を蹴った時の強さによってジャンプする高さが変わってくる。
僕は、恐らく50メートルほど跳ぶと地面に向かって落ちていく。
僕は、最大100メートル(氷翠や美影は最大でその2倍ほど跳べるが)ぐらいまで跳べる。なので、今回はその半分まで跳んでいる。
地面に近づいて行くごとに、落下スピードは緩まっていく。僕は、次の跳躍魔法(1回跳ぶごとに魔法をかけないと使えない)に備えるために魔力を抑えた。
地面に足を着き、今度は力を緩めて跳ぶ。
…よし、良い高さになった!