星と太陽に魔法の歌を
「美影、両親には連絡してある?帰りが遅くなること」
僕の家に来た美影に問いかけると、美影は無言でうなずいた。僕は、新しい家を美影に教えていたのだ。
「分かった。じゃあ、僕の部屋まで来てよ」
美影を家に上げ、美影を連れて部屋に入った。荷物を置いた美影は、布団の上に寝転がる。ここは美影の家じゃないんだよ…?別に気にしてないけどさ。
「それで…どうしたの?」
美影が僕を見つめながら呟いた。僕は机の上に置かれている首飾りを手に持つ。
「僕が美影に渡した首飾りは、簡易なものなんだ」
美影の首にかかっている首飾りをそっと外した。そして、僕が新しく作った首飾りを美影の首にかけ直す。
「普通のものよりも効果が薄いから…だから、僕が新しい首飾りを作ったんだ…」
僕が手に持っている飾りと見比べてみると、新しく作った首飾りの方がきれいに輝いている。
「すごい…これ、本当に深冬が作ったの?」
「そうだよ」と僕がうなずくと、美影は飾りを手に乗せながら、それを見つめた。
「いつもよりも体が軽く感じる…」
「だろうね。簡易の首飾りは、美影が付けている首飾りの効果は半分になるから…今の僕が直しても。だから、霊石をステラに取りに行ってもらっていたんだ」
僕は美影に向かって微笑んだ。美影は驚いた顔で僕を見ていた。
「…あぁ、僕の後ろにいる霊?気づいているよ」
『…助けて』
霊の背後に黒いモヤが現れた。…悪霊だ。悪霊が霊に憑かれているのか?
僕は御札を悪霊に投げつけた。そして、悪霊は跡形もなく消えていく。
『ありがとうございました…私、ずっと苦しかったんです…』
霊はそう言って消えていく。霊の声を聞けるのは、強い霊感を持っているものだけなのだ。