星と太陽に魔法の歌を
僕は、ゆっくりと目を覚ました美影に近づいた。美影は、驚いた表情で僕と朔さんを見ている。
「な、何で英太が?ここはどこなの?」
僕は、美影に簡潔に今までのことを話した。鎖に触れてみると、バチッと音を立て、ヒリヒリとした感触が肌に伝わった。
……なるほど。美影以外が触れることを許さないのか…困ったな。
「…英太?お願いがあるんだけど」
「どうしたの?」
美影は、光が灯っていない目で僕を見つめる。
「…僕は、ずっとこのまま縛られていたい。英太は、僕の代わりに生きてよ。ずっと聞こえていたんだよ?英太の生きたかったって言う声が――」
気がつけば、僕は美影の胸ぐらを掴んでいた。多分、僕も今の美影と同じ表情をしているだろう。
「ふざけないで。僕は、そこまでして生きたくはない。僕は美影を守ることは出来なかった。だから、僕なんて生きている理由は無い…」
「…ごめん。英太には、強く生きて欲しいんだ」
僕は美影から離れると、美影に抱きついた。朔さんの魔力に限界が近いことを悟ったから。
「僕は、美影に生きて欲しいの。僕は、美影が幸せならそれで良いんだ…お願い。美影が強く生きて…!!」
僕は、泣きじゃくりながら叫んだ。美影の目に僅かに光が灯り、鎖にヒビが入った。
「ありがとう…美影。僕は美影が好きだった。美影を助けられなくてごめんね?最期に美影を守れただけでも、僕は十分なんだ…」
「……英太…」
美影を繋いでいた鎖が割れ、美影は僕を抱きしめてくれた。