星と太陽に魔法の歌を



俺は美影くんにかけていた魔法を解き、2人に近寄った。ふと英太くんの姿が薄れていることに気がつく。英太くんは美影くんから離れ、美影くんに微笑んだ。

「美影、今までありがとう」

「こちらこそありがとう…助けてくれて」

美影くんが微笑むと、英太くんは無言で幸せそうな笑みを浮かべて消えていった。

「…美影くん…とりあえず、皆の元に帰ろうか」

俺は、泣きそうな美影くんに手を差し出した。美影くんは、その手をゆっくりとうなずいて握る。

俺は美影くんに目を閉じてもらうように促すと、俺も目を閉じて、完全に魔法を解いた。

目を開けると、俺は魔法学校の屋上に横になっていた。

「…朔!」

望が立ち上がった俺の元へ近寄ってくる。俺に少し遅れて美影くんが立ち上がった。

「……美影くん。もう大丈夫なの?さっき――」

美影くんは、俺の言葉を遮るように「朔さん。僕はもう大丈夫ですよ」と微笑んだ。

「……そっか」

俺と美影のやり取りに、俺と美影以外の全員は首を傾げた。

「あ、えっと…皆、ごめんね?」

「美影…なのか?」

琥白くんの問いかけに美影くんは、ゆっくりとうなずいた。

「良かった……美影、おかえり」

深冬くんは、美影に微笑む。美影は、皆に「ただいま」と微笑んだ。
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