星と太陽に魔法の歌を
僕は、美影に言われた通りに美影の家に来ていた。美影は、僕に入って来るように促す。
僕が美影の家に入ると、悪霊の気配がとある部屋から漂ってくる。そして、美影は僕を美影の義両親のいる部屋へ連れていく。
「お義母さん、お義父さん…僕の幼なじみの深冬を連れてきたよ」
「えっと…お久しぶりです」
僕は、2人に頭を下げた。美影の義両親である、近藤 咲輝さんと近藤 和人(かずと)さんとは、僕が小学4年生の時に知り合った。この2人は、僕が霊能力者だと言うことを知らない。
「あら、深冬くん…大きくなったのね」
咲輝さんは、僕の頭を撫でながら微笑んだ。僕の顔が赤くなるのが自分でも分かった。
久しぶりの家族という温もりに触れることが出来て嬉しかったこともあると思う。僕は、ずっと祖母と祖父に育てられて来た。僕の両親は、僕が生まれてからすぐに命を落としたそうだ。
僕の祖母と祖父は、とても元気でまだまだ若く見える。介護とは、とても離れた世界に立っている。
僕は、そんな2人から離れて今は1人で生活している。早いような気がするが、親元から離れて生活したかったのだ(元々1人が好きで、1人になりたいという気持ちが強かったこともある)。
「…美影、どうして深冬くんを連れてきたんだ?」