星と太陽に魔法の歌を
俺はやることもなく布団で寝転がっていた。そして、数日前の深冬と美影と俺で遊んだ日のことを思い出していた。その時、近くから強い霊気を感じ、慌てて起き上がった。
「千晴…体が重いんだけど」
そう言いながら、俺の父がフラフラと俺の部屋に入って来た。いつもは霊能力者である母に払ってもらっているそうだが、今日は、母は仕事が忙しく帰りが遅くなるらしく家に居ない。
確かに、この霊気は父からしている……。
「はぁ」と深くため息をついた俺は、印を結んだ。
「天地を縛り付ける者よ。今、我の前に姿を現せ」
言霊を唱えると、いつも通りの悪霊が姿を現した。俺は、ためらいもなく御札を悪霊に貼り付ける。
「……助かった。ありがとう」
父は、俺を見つめて微笑んだ。