星と太陽に魔法の歌を
僕が美影の義両親に真実を明かした翌日の放課後。今日、『魔法実演』で行った小テストをまとめたもの(百点満点)が返された。
僕は、その点数を見て机に突っ伏した。そこへ美影が寄ってくる。
「どうしたの…?」
「僕、60点だった」
僕がそう呟くと、美影は苦笑しながら「まぁ、平均よりも高いから良いんじゃない?」と言った。
確かに、このテストの平均は『50点』だ。大体の魔法学校生は、50点前後を取っている。
「そうなんだけど…美影は?」
美影に問いかけると、美影はイタズラっ子のような笑顔で「95点」と言った。
「あ、美影に点数聞いた僕がバカだったわ…じゃあね」
僕はカバンを持ち、千晴のいる隣のクラスへ向かった。隣のクラスでは、いつものように千晴が待っていた。
「深冬!テスト、どうだった?」
僕は「60点だった」と真顔で答えると、千晴は「俺、59点だった」と笑いながら言った。
「…おお。よし、帰ろうか」
僕は、テストをカバンにしまうと千晴を抜かして歩き始める。その後を千晴が慌てて着いてきた。