星と太陽に魔法の歌を
次の日の休日。僕が街を歩いていると、琥白が美影を抱え上げた状態で歩いているのを見かけた。僕は琥白に近づき、声をかけた。
「琥白じゃん」
「深冬…実は、昨日美影の義両親から美影の過去を聞いたんだ」
「…なるほど。主に家庭環境のこと…だよね?」
「あぁ。昨日は、美影に悪いことしたかな…俺が関係の無いことを相談して美影を怒らせてしまったからな…」
僕は琥白と話しながら近くの公園に入り、眠っている美影をベンチに寝かせた。琥白の話をまとめると――
美影は1人で出かけて行ったが、琥白は美影のことが心配で着いて行った。美影の前に美影の生みの親が現れ、美影が怖がっていた。そこへ琥白が入り、その琥白の後に続いて義両親が入った。生みの親は、去って行くもののまだ震えている美影に琥白が声をかけた。いつもと違う美影の様子に琥白が魔法をかけて眠らせた。
「なるほど…」
「あ、美影にした相談事は…瑠梨が氷翠さんと仲直りしたいって言ってたんだよな。瑠梨は、氷翠さんに真実を話していたんだ…でも、氷翠さんは瑠梨と仲直りすることを拒んだ……」
僕は美影が目を覚ます前に琥白と別れ、千晴の家に向かって歩き始めた。