星と太陽に魔法の歌を
「……これが影光と私の若い頃の写真だよ」
美影の祖母は、僕たちをテーブルに向かって座るように促すと、僕たちに美影の祖父と祖母が若い頃の写真を見せてくれた。
た、確かに…美影にそっくりだ……。
美影の祖父は、美影のように髪留めは付けていない。しかし、僕が美影に渡した首飾りと同じものを付けていた。
「…あれ?この首飾りって……」
美影は、水色の半袖のポロシャツの上から付けていた首飾りを手に取った。
「その首飾りは…影光が言っていたよ。『この首飾りは、僕の大切な人からもらった物だ』って…隠さなくたって私はこの首飾りの効果は知っているんだけどね……それ『霊石の首飾り』でしょ?…霊能力者の深冬くん?千晴くん?」
僕と千晴は、同時に驚いていた。美影たち以外には能力のことを話したことが無いからだ。
「ふふっ。驚いた?私はね…神の使いなんだ」
美影の祖母は、ふわりと笑う。僕たちは驚きを隠せない様子で美影の祖母を見つめた。
この間、悪霊が言っていた『神の使い』という言葉が僕の脳裏をよぎった。
「この間、悪霊が言ってたけど…神の使いって何なのですか?てか、何で僕たちのことを知って…?」
「…私は、昔…『天界』にいた神様の1人に仕えていたんだ。でも、その神様が転生されて…その時に、私に『君も転生して来なよ。そしたら、私の元に来れるよ?多分、私はこの記憶を失っているけど…神の使いの玲奈(れいな)ちゃんなら、記憶は失わないはずだから…』と言って来たんだ」
美影の祖母は、一旦言葉を切って僕を見つめた。