星と太陽に魔法の歌を
「これが魔法薬の原料となる『魔法水』と呼ばれるものです」

俺は、魔法水を皆に見せた。皆は、すごい、と言いたげな目で魔法水を見ていた。

「この魔法水は、自然と回復する魔力の回復速度を上げる効果を持ちます。しかし、色々な薬草を入れることによって様々な効果を発揮します」

俺はその他の色々なことを皆に説明し、谷口先生が言っていたように、皆に魔法薬を作って貰うことにした。

「――では、今から皆さんも作って見てください。何かあれば、俺か谷口先生に聞いてください」

俺がそう言うと、皆は作業に取りかかった。俺は、谷口先生に近寄って疑問を投げかけた。

「谷口先生…何で俺を呼んだの?この授業だったら、谷口先生でも出来るでしょ?」

「朔くんが魔法学校に在籍していた頃に私はずっと色々な授業を見ていたけれど…朔くんは、調合学の時間になると目が輝いていたのよ…だから、朔くんに調合学の先生を経験してもらいたくって……魔導師会の会長に相談したら、その案に乗ってくれてね」

「……なるほど」

「若竹先生…!!」

「はい」

誰かが俺を呼ぶ声がし、俺は返事をする。俺を呼んだのは――琥白くんだ。

「魔法薬、出来ました」

俺が琥白くんに近づくと、琥白くんは俺に向かって容器を見せた。中には、淡い黄色の液体が入っている。

「すごい…完璧だ。これ、魔力を増大させる魔法薬だ…」
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