星と太陽に魔法の歌を
俺は授業が終わり、美影の話を聞いたすぐに保健室に向かった。魔力測定の時間に深冬は倒れたらしい。
カラリ、とドアを開けて保健室に入ると深冬の様子を見る。深冬は、苦しそうに息をしていた。意識があるわけではないようだが。
俺は、嫌な予感がして片手で印を結んだ。
「……天地を縛り付ける者よ。今、我の前に姿を現せ!」
俺がいつもの言霊を唱えると、深冬の中から強い霊気をまとった悪霊が現れた。
「……っ!?」
その悪霊が現れた刹那、俺の体が吹き飛び保健室の壁に強く叩きつけられた。衝撃で床に倒れ込む。
顔を上げてみると、悪霊は光の鎖で縛られていた。美影の目は水色だ。美影が依代の力を使ったのだ。
「――散りな」
美影がそう言うと、悪霊は光の鎖とともに砕け散っていく。
俺は、その美影の姿を最後に意識を失った。