果てしない運命の先に
次の日私は決心をした。

そして、彼を呼び出して、別れを告げた。
彼のことは本当に好きだったし、今もまだ好きだけど、
はっきりしないのは嫌だったから。

それに、2人のあの笑顔を見てしまったから。
私は彼のあんな顔を見たことがなかったから。
あの笑顔はユメにしか引き出せない、そう思った。

辛い決心だったけど、それで良かった。
ふたりには、幸せになって欲しいから。

「じゃあね、今まで本当にありがとう。…大好きだったよ。」
そう言って、私は歩き出した。
一度も振り向かずに。

帰りの道は、昨日の雨で濡れていた。
ところどころ水溜まりがあって、
私はおもわず飛び込んだ。

ーバッッシャーンッ

水しぶきと一緒に私の気持ちも跳ねていった。







私はその日、彼を思い出にした。






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