果てしない運命の先に
「あ、あの、さっきから言ってるその運命…だとか、
伝説だとかって…何なんですか?それに私たちって、
私ひとりじゃないんですか?」
しまった!いっぺんにたくさんの質問をしすぎた。

でも彼女はとくに困った様子もなく
「そうよね。分からないわよね。」
と言った。
「あなたはその日、運命の人に出会う。でもそのときは
知らないのよ、もっとずいぶん前から接点がいくつも
あったことをね。」
彼女はそう言って少し微笑んだけれど、
すぐにその微笑みは消えてしまった。

「そしてその日、初めて話すのになんだかずっと前から
知っていたような感覚に陥る。そしてあなたたちは
一気に距離を縮める。」

誰かの唾を飲み込む音が聞こえた。
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