Diary



「眠たいんだよね?じゃあベッドで寝ないと」


「え、うん。でもなんで覆いかぶさってくるの」


「菜穂を逃がさないため」


「別に逃げないからどいてよ」


「いつも俺から逃げるじゃん。
ねぇ、避けられる理由が知りたいんだけど」


無理。言えない。

私だって避けたくて避けてるわけじゃないんだから。


「菜穂?」


「......」


「言わないと襲うよ」

!?

「な、な...」

なんてこと言うんだこの人は...!

でもそんなこと言われても言えない。


「言わないってことはいいんだ?」


「ちょっ...!ちょっと待って!」


私は精一杯力を込めて胸を押し返す。



「こんな弱い力じゃ止められないよ?」



そう言って依利は押し返す私の両手をベッドに押し付けた。


< 16 / 55 >

この作品をシェア

pagetop