Diary



「ね、ねぇ!
なんで今更なの?」


今まで避け続けていたのは本当だけど、こんな風に問い詰められたことは1度だってなかった。


「そうだね。今まではただ単に男嫌いだと思ってたからなにも言わなかったけどさ、今日男と話してたよね?」


「男...?」


茶髪くんのこと?


「あれ誰?なんであいつは菜穂と話せるのに俺はダメなの?」


「あれは...たまたま会った知らない人で」


「へぇ、知らない人に菜穂ちゃんって呼ばれてんの?」


「...知らない」


顔をふいっと横に向けるとムスッとした声が聞こえた。


「ちゃんと目見て」


グイッと一気に近づく顔。


依利のさらさらの髪が私のおでこに触れる。


「ち、かい」


「菜穂」


「なに」


「菜穂は俺のこと嫌い?」



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