Diary
「あ、こらまて逃げるな」
「じゃあ追いかけてこないでよ!」
「菜穂が逃げるから追いかけるんじゃん」
私は本棚を巧みに使い依利から逃げる。
ここの学校の図書室が広くて助かった。
この調子なら依利から逃げ切れるだろうと思って一旦足を止める。
「あれ」
後ろを振り向いてもいない。
足音もしない。
これは諦めて教室戻ったかな。
「よかったー...」
私はその場に座り込み息を整える。
「なにがよかったのかな?菜穂ちゃん?」
「ひぃ...!でた...!」
「人をバケモノみたいに言うな」
私の目の前には息一つ切らさず涼し気な顔をしている依利がいた。