Diary

『こんにちは菜穂ちゃん。
依利の父親の直人です。
南さん…お母さんとはお付き合いさせていただいてます。』


『びっくりしたでしょ菜穂〜』


実は知ってましたよ、母上。


日曜日デートしてるとこ何回も見ちゃってましたからね。


そんな言葉を飲み込んで精一杯の笑顔で２人に微笑んだ。


「良かったね、お母さん。
素敵な人と出会えたんだね」


本当に幸せそうな顔してる。


私はお母さんが幸せになれるなら、自分の感情の一つくらい消す努力はできる。


「すいません、ちょっと菜穂さん借りていいですか？」


『あら！どうぞお好きに連れ回していいのよ〜』


「ちょ、お母さん…！」


「行こう？菜穂」


「あ、うん」


依利に手を引かれてレストランを出た。