Diary




ロビーのソファに向かい合って座った。




「…菜穂はさ、2人の関係知ってたの?」


「うん、知ってたよ」


「いつから?」


「中3の冬くらいかな」


「え、なんで俺に言ってくれなかったの?
だってこんなの…!」


「私の口から言うべきじゃなかったの。
現に2人は今日この日に話すって決めて私たちは初めて知ることになってた」


「でも俺は菜穂のこと「それはだめなんだよ…」


「ねぇ、菜穂が俺のこと避けてた理由ってこれ?」


「……ごめんね。もう戻ろう?」


「待って、納得できない。」


「依利には彼女がいるでしょ?
私なんかより可愛くていい子で、依利のこと幸せにしてくれると思うよ?」


「菜穂は、それでいいの?」


「うん、いい。」


「……はぁ、分かった」



心が痛い。


でも依利はもっと痛いと思うから、色んな感情を押し込めて笑顔をつくった。




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