Diary
一気に目つきが変わった目の前の自称狼くん。
「や、ごめんって、バカになんてしてないからとりあえずその手を離そうか」
「やだね。俺さ、ぶっちゃけ菜穂ちゃんのこと好きなんだけど?」
「はい?!なにをおっしゃって…」
「まだ数回しか関わったことないけどさ、こんな見た目の俺にも素で話してくれるとことかすごい好きで、見かけたら目で追うようになってて気づいたらもう完全に惚れてた」
「あ、う……そうなのか…」
「まじで好き。
菜穂ちゃんには好きな人がいるんだろうけどさ、苦しいんでしょ?」
「なんで…」
なんでこんなにバレてるの。
私ってそんなにわかりやすい?
「だっていつもこんな顔してる。
今にも泣きそうな顔して無理に笑顔作ってさ、そんなに好きなの?」
手首を掴んでいた手が頬に移った。