社内クレーム処理課もぐら部
「お前、高遠だろう」
「はい。なんで名前」
この男と会ったのは初めてのことであるし、まだ名前など名乗ったこともない。
「こんなところにいる奴にほかに心当たりがない」
「ええっと、つまりどういうことなんでしょうか」
彼の言い分はまるっきり分からない話だった。
「鳴海宗司。もぐら部の課長をやっている」
そこで二つ疑問が湧いた。もぐら部とはなんだろう。そして、部なのに課長とはどういう了見なのだろうか。
頭の上にクエスチョンマークを掲げたわたしに、鳴海課長はため息を吐いた。
「もぐら部は社内問い合わせ処理課の俗称みたいなものだ。俺はそこの責任者、これで良いか?」
「課長さん……ですか」
課長クラスの人間は三十後半から四十代くらいのイメージだったが、彼はそれよりは若く見えた。実際若いのだろうし、どれだけ高く見積もったところで三十代前半がせいぜいだろうと思われる。
「おかしいか?」
「い、いえ! 全くそんな、全然!」
仮にも上司に当たる人間に失礼なことを言うわけにはいかない。
「まぁいいか。こっちだ」
「はい。なんで名前」
この男と会ったのは初めてのことであるし、まだ名前など名乗ったこともない。
「こんなところにいる奴にほかに心当たりがない」
「ええっと、つまりどういうことなんでしょうか」
彼の言い分はまるっきり分からない話だった。
「鳴海宗司。もぐら部の課長をやっている」
そこで二つ疑問が湧いた。もぐら部とはなんだろう。そして、部なのに課長とはどういう了見なのだろうか。
頭の上にクエスチョンマークを掲げたわたしに、鳴海課長はため息を吐いた。
「もぐら部は社内問い合わせ処理課の俗称みたいなものだ。俺はそこの責任者、これで良いか?」
「課長さん……ですか」
課長クラスの人間は三十後半から四十代くらいのイメージだったが、彼はそれよりは若く見えた。実際若いのだろうし、どれだけ高く見積もったところで三十代前半がせいぜいだろうと思われる。
「おかしいか?」
「い、いえ! 全くそんな、全然!」
仮にも上司に当たる人間に失礼なことを言うわけにはいかない。
「まぁいいか。こっちだ」