恋する耳たぶ
まあ、今のところ、見つけた後ろ姿が彼女だったことはないし、彼女からの連絡が来ているのは、携帯を見る回数全てからすれば、ほんのわずかな確率でしかない。
最初の何回かは、バカだなぁと思ったりもしたけれど、それほど悪い気持ちではなかった。
彩りが加わった、とでもいうのだろうか。
嬉しかったり、期待したり、不安だったり……色んな意味で、ドキドキする。
今となってはもう、彼女と出会う前の自分をよく思い出せない程だ。
前の生活が嫌だったわけではないと思うけれど、戻りたいとは思わない。
どちらかと言えば、進みたい気持ちでいっぱいな、ここ最近の俺。
彼女が俺をどう思っているのか……
そのことを確かめたいと思う気持ちが日に日に大きくなっている。