恋する耳たぶ
またしてもステキ過ぎた昨夜の匡さんを思い出し、私はいつもと違う匂いのするお布団の中で、気づかれないよう、控えめにジタバタした。
いつもと違う……そう、ここは私の家じゃなく、匡さんのおうち。
なんと!私、初めて匡さんのおうちにお泊りしちゃったのです!
あ、でもアレよ。
その……なんていうか、あんなことやそんなことはしてないの。
いろいろお話して、遅くなっちゃって。
こんな時間に帰るのは危ないからって、匡さんが寝室を貸してくれただけ。
紳士な匡さんは、私のいる寝室じゃなく、あっちのお部屋。
リビング兼ダイニングキッチンみたいな部屋で寝ると言っていた。
もちろん、私は一緒でも全然良かったんだけど……
頭ぽんぽん、ってされて、お風呂を勧められてしまった。
その時の匡さんは、困ったなぁっていう感じの優しい笑顔で。
脱衣所の鏡を見て、自分でもびっくりしたメイクとれかけのぐちゃぐちゃな顔のせいじゃない……と思いたい。