恋のはじまりは突然に
「お前、おもしろいな。コロコロ顔が変わってる」
「えっ?!だ、だって補導されるかと思ったらどうしようと思って……!」

すると蓮司さんが、先程とは違う色気のある顔で、フと笑った。

「大丈夫だろ。んな、カンタンに警察なんかに見つかるかよ」
「……そうでしょうか」

私が不安でいると今度は奏多さんが〝うわぁ〟と言う声を上げたのが気になり、奏多さんのほうを見た。

「いやぁ、ごめんごめん。蓮司の女の子だけに見せる顔が気持ち悪くて気持ち悪くて……」
「悪かったな、気持ち悪くて。お前にもしてやろうか」

奏多さんは〝マジでやめろ〟と言って全力で蓮司さんの笑う顔を見たくないと阻止した。

蓮司さん……少しは希望ちゃんのこと、一瞬だけでも忘れられたかな。

そうだったらいいのだけれど……

そんなふざけたことをしていると、奏多さんが頼んでいた料理が運ばれてきた。
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