恋のはじまりは突然に
「へぇ〜。その彼のことは、本気で好きだったんだろ?」
「……まぁ、そうですね」
「どうやって忘れた?」

え……どうやって忘れた?あれから一年以上経ってるけど、忘れられてないよね……私。

初めての彼氏だもん。そうカンタンに忘れられるわけがないよ。

「俺、どうやってアイツのこと忘れようかな」

蓮司さんはビールをグイッと飲み干すと、目元を覆って黙ってしまった。

「私……まだ忘れられてないです」

黙って俯いていた彼に向かって呟くと、つくねをガブリと口いっぱいに頬張った。

「じゃあさ」

私の言葉に彼は顔を上げると、とんでもないことを提案してきた。
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