恋のはじまりは突然に
写真の中の二人はすごく幸せそうで、蓮司さんなんて本当に彼なのだろうか?というくらい笑顔で写っていて、彼女のほうは女の私でも見惚れちゃうくらい魅力的な人だった。
ボーっと、それを眺めていると、パタンと写真立てを倒され、その倒した手を辿り顔を見上げると困り顔の蓮司さんがいた。
「ご、めんなさい……」
「いや、いい。それよりココア飲めるか?」
「はい、ありがとうございます」
私の前にココアが出され、せっかく入れてくれたのだからと、有り難く頂戴することにした。
テレビも付いていない静かな部屋。私と蓮司さんのココアを飲む音だけが耳に届く。
「そういや、何も聞かずに普通に家に連れてきちまったけど、お前明日仕事は?」
「あ、私。有給消化しなきゃいけなくて、今日は清美と飲む予定だったので明日有給取ってたんです。蓮司さんは?」
「今日フラれた俺にソレ聞く?」
えっ?!あ、そっか……。今日バレンタインだから、今日は一緒に過ごすつもりで休みを取っていたのかも……。
「なんか……すみません」
「いや、気にすんな」
気にすんなと言われても、気にするんですけど……。
よく考えれば分かることなのに、何やってるんだよ私は。
ボーっと、それを眺めていると、パタンと写真立てを倒され、その倒した手を辿り顔を見上げると困り顔の蓮司さんがいた。
「ご、めんなさい……」
「いや、いい。それよりココア飲めるか?」
「はい、ありがとうございます」
私の前にココアが出され、せっかく入れてくれたのだからと、有り難く頂戴することにした。
テレビも付いていない静かな部屋。私と蓮司さんのココアを飲む音だけが耳に届く。
「そういや、何も聞かずに普通に家に連れてきちまったけど、お前明日仕事は?」
「あ、私。有給消化しなきゃいけなくて、今日は清美と飲む予定だったので明日有給取ってたんです。蓮司さんは?」
「今日フラれた俺にソレ聞く?」
えっ?!あ、そっか……。今日バレンタインだから、今日は一緒に過ごすつもりで休みを取っていたのかも……。
「なんか……すみません」
「いや、気にすんな」
気にすんなと言われても、気にするんですけど……。
よく考えれば分かることなのに、何やってるんだよ私は。