恋のはじまりは突然に
「もしかしなくても、希望ちゃんの……だよね」

いいのかな、着ちゃっても。でも用意してくれてるんだもん、着ろってことだよね。

どうせすぐ脱ぐんだろうし、大丈夫かなっと、袖に手を通した。

「蓮司さん……ありがとうございました」
「……あぁ、じゃあちょっと待ってて。俺も行ってくる」

それだけ言うと私の頭に手をポンと乗せ、浴室へと行った。

蓮司さん、私のパジャマ姿見て、ちょっと間があいてたよね。

嫌でも希望ちゃんのこと思い出しちゃったんだろうなぁ。

そんなことを思いながら、立ったままでいるのもなぁ……と思い、来た時に座ったソファーに座らせてもらうことにした。

時間にして5分くらいだったと思うけれど、待ってる時間がすごく長くて、ただただドキドキしながら彼が帰ってくるのを待った。
< 28 / 84 >

この作品をシェア

pagetop