恋のはじまりは突然に
蓮司さんのツライ失恋をどうにかしてあげたい。

希望ちゃんとのことを〝あんなこともあったなぁ〟って、思い出にさせてあげたい。

そして、ワガママを言ってもいいのなら、蓮司さんの隣で笑うのは私でいたい……。

「苦しくないか……?」
「はい、大丈夫です」

蓮司さんはきっと私のことなんて、何とも思っていないんだろうな。

私はこんなにドキドキしているのに……。

「蓮司さん……」
「ん?」
「今は私しかいません。泣いてもいいですよ?」

きっと彼は泣いていない。泣く暇なんてなかったはずだ。

だから今、私に感情をぶつけていいですよ?

あなたの思いならすべて私が受け止めます。
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