恋のはじまりは突然に
「蓮司は絶対年下だよ。だって、うんと甘やかしてくれるし。ワガママはさ、もっと対当でいたいっていうか、蓮司は私のことを気にかけながら行動や発言をしていたでしょう?」

確かに、今もそうだけど、希望と何かしたくても体調見て、言わなかったり、そういう面では確かに俺も気を遣ってた部分はあったかもしれない。

「だからね?次、恋愛する子は、多少は蓮司のワガママ通してもいいんじゃないかなって。度が過ぎると嫌われちゃうかもだけど」

度が過ぎると嫌われるって……俺、絶対そうなる気がしてならねぇんだけど。

「蓮司、本当に二年間ありがとうございました。蓮司に愛されたこと、愛したこと、忘れないよ。蓮司には幸せになってほしい。絶対良い旦那さんになるって思ってるよ」

あぁ、もうこれで本当に終わりか……と思うとグッとくるものが。

「幸せになれよ」

他にも言いたいことはきっとたくさんあった、けどそれを口にすると、希望を困らせるだけだと、この一言を言うのに精一杯だった。

「うんっ」

希望は涙を溜めた笑顔で、俺の前から姿を消した。
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