恋のはじまりは突然に

「ねぇ、そんなさぁ舌打ちばっかしてるから、希望ちゃんだって嫌になったんじゃないのー？」
「ちょっと！清美ってば！失礼なこと言わないの！！」

本当清美って空気読まないんだから……。せっかく人が謝りまくってるっていうのに、全部台無しだよぉ……。

「お前に俺の何が分かんだよ」
「分かるよ！そりゃあ、吹き出したのは私だし？悪かったなーとは思うけどさ！自分より年下であろう私たちに向かって、仁王立ちして腕組みしてさ、上から睨みつけるように見て。彼女には優しいのかもしれないけど、好きな女以外に優しく出来ないとか、私なら無理！！結奈だってそう思うでしょ？！」

えぇっ……私に振らないでよぉ！ただでさえ、この人怖いのに。

もう早いとこ切り上げて、この場から去りたいんだよ、こっちは。

「ほら、結奈もガツンと言ってやればいいんだよ！」

もうお願い……お願いだから、これ以上私を巻き込まないで清美ー！！

聞こえないふりをしようと思ってみたものの、左斜め上をチラッと見上げると蓮司という男が私を見下ろしていた。

はぁ……もう逃げれないのかな。何か言うしかないのかな。