人魚姫の涙
◇
「紗羅ちゃん大丈夫? きつくない?」
鏡の前でドレスの紐を閉める塩谷さんが、私の顔を覗き込んで微笑んだ。
「大丈夫だよ。それより、薔薇の色変えたんだね」
「うん。そっちの方が、紗羅ちゃんに合うと思って」
少し頬を赤くした塩谷さんが、鏡越しに私に微笑みかけた。
「それに、私の目標の星野悠真さんってデザイナーさんもね、始めて世に出したドレスは青薔薇がついてたの」
「星野悠真?」
「知らないの? 今世界的に有名なデザイナーさんで、エデンのブランドの創立者」
「う~ん。知らない」
「うっそ、この前もテレビに出てたんだよ?」
私の答えが予想外だったのか、驚いたように目を丸くする塩谷さん。
そんなに有名な人なのかな――。
昨日見たテレビを思い出しながら、自分の着ているドレスを見下ろす。
この前着た時は色とりどりの薔薇がドレスに咲き乱れていたのに、今は目の覚める様な真っ青な薔薇のみが縫い付けられている。
青の薔薇――。
たしか、花言葉は『奇跡』
「紗羅ちゃんは、ハーフかクオーターなの?」
髪についている真っ青な薔薇をいじっていたら、塩谷さんが私の目を見て訪ねてきた 。
「紗羅ちゃん大丈夫? きつくない?」
鏡の前でドレスの紐を閉める塩谷さんが、私の顔を覗き込んで微笑んだ。
「大丈夫だよ。それより、薔薇の色変えたんだね」
「うん。そっちの方が、紗羅ちゃんに合うと思って」
少し頬を赤くした塩谷さんが、鏡越しに私に微笑みかけた。
「それに、私の目標の星野悠真さんってデザイナーさんもね、始めて世に出したドレスは青薔薇がついてたの」
「星野悠真?」
「知らないの? 今世界的に有名なデザイナーさんで、エデンのブランドの創立者」
「う~ん。知らない」
「うっそ、この前もテレビに出てたんだよ?」
私の答えが予想外だったのか、驚いたように目を丸くする塩谷さん。
そんなに有名な人なのかな――。
昨日見たテレビを思い出しながら、自分の着ているドレスを見下ろす。
この前着た時は色とりどりの薔薇がドレスに咲き乱れていたのに、今は目の覚める様な真っ青な薔薇のみが縫い付けられている。
青の薔薇――。
たしか、花言葉は『奇跡』
「紗羅ちゃんは、ハーフかクオーターなの?」
髪についている真っ青な薔薇をいじっていたら、塩谷さんが私の目を見て訪ねてきた 。