人魚姫の涙
「胸騒ぎがしたの...…。パパの血液型を知って、ずっと胸の奥に仕舞い込んでいた想いが蘇ってきた」
「――」
「それで、調べたの」
「何を?」
遺伝子工学。
血液型。
2つの単語が交差する。
浅い息になった俺に、沙羅は表情を変える事なく言葉を落とした。
「ママの血液型」
その言葉に、ドクンと心臓が大きく鳴る。
紗羅の父親がO型。
紗羅がB型。
それならば、紗羅の母親はB型かAB型じゃなければいけない。
そうでなければ、いけないんだ。