人魚姫の涙
あれから数日経ったが、あの事には互いに触れていない。
意図的に、話さないようにしている。
話さなければと分かっているのに、話した瞬間、この夢のような時間が終わりを告げる気がして踏み出せなかった。
まだ、夢を見ていたかった。
甘い世界の中で、溺れていたかった。
逃げているだけだと分かっていたけど、どうしても手放せなかった。
現実逃避ともとれるこの時間が、愛おしくて、切なくて、まるで一瞬の輝きの様に儚かった。
「星がいっぱぁ~い」
「すごいな」
夕食を終え、ロフトに上って天窓から星を眺めた。
零れ落ちそうな星を見ていると、紗羅が俺の胸に頭を乗せてきた。
「なんだか新婚さんみたい」
ふふふ。と楽しそうに笑う紗羅。
その言葉と姿に、笑みが零れる。
胸が一杯になって、愛おしさが増す。
「子供の頃に作った秘密基地みたいだな」
「こんな立派じゃなかったよ~」
「俺は自信作だったけど?」
「ふふ。そうだね」
意図的に、話さないようにしている。
話さなければと分かっているのに、話した瞬間、この夢のような時間が終わりを告げる気がして踏み出せなかった。
まだ、夢を見ていたかった。
甘い世界の中で、溺れていたかった。
逃げているだけだと分かっていたけど、どうしても手放せなかった。
現実逃避ともとれるこの時間が、愛おしくて、切なくて、まるで一瞬の輝きの様に儚かった。
「星がいっぱぁ~い」
「すごいな」
夕食を終え、ロフトに上って天窓から星を眺めた。
零れ落ちそうな星を見ていると、紗羅が俺の胸に頭を乗せてきた。
「なんだか新婚さんみたい」
ふふふ。と楽しそうに笑う紗羅。
その言葉と姿に、笑みが零れる。
胸が一杯になって、愛おしさが増す。
「子供の頃に作った秘密基地みたいだな」
「こんな立派じゃなかったよ~」
「俺は自信作だったけど?」
「ふふ。そうだね」