人魚姫の涙
ゴシゴシと真っ黒になったフライパンの汚れを落とす。
しばらく無心でフライパンと格闘していると、甘いシャンプーの匂いをまとった紗羅がやってきた。
その肌は薄らとピンク色に染まっていて、簡単に俺の理性を揺るがす。
「お風呂あがったよ! 成也も入れば?」
「あぁ。紗羅もちゃんと髪乾かせよ」
「うん! 今日の入浴剤ね、薔薇の香りにしてみたよ!」
「そっか」
まだ髪の濡れた紗羅に素っ気無くそう言って、視線をフライパンに戻す。
今にも襲い掛かってしまいそうな自分を必死に抑え込む。
すると、紗羅は不思議そうに首を傾げて俺の服の袖を引っ張った。
「成也?」
「ん?」
「どうかした?」
「いや?」
「顔赤いよ? 風邪?」
眉根を下げて俺の顔を覗き込んでくる、甘い瞳。
本当、この小悪魔には毎日悩まされている。
言うまでもなく、俺はそのままその唇を塞いだ――。
チャプン……。
甘い薔薇の香りがする風呂に身を沈める。
まるでホテルのように立派な風呂は紗羅のお気に入りだ。
しばらく無心でフライパンと格闘していると、甘いシャンプーの匂いをまとった紗羅がやってきた。
その肌は薄らとピンク色に染まっていて、簡単に俺の理性を揺るがす。
「お風呂あがったよ! 成也も入れば?」
「あぁ。紗羅もちゃんと髪乾かせよ」
「うん! 今日の入浴剤ね、薔薇の香りにしてみたよ!」
「そっか」
まだ髪の濡れた紗羅に素っ気無くそう言って、視線をフライパンに戻す。
今にも襲い掛かってしまいそうな自分を必死に抑え込む。
すると、紗羅は不思議そうに首を傾げて俺の服の袖を引っ張った。
「成也?」
「ん?」
「どうかした?」
「いや?」
「顔赤いよ? 風邪?」
眉根を下げて俺の顔を覗き込んでくる、甘い瞳。
本当、この小悪魔には毎日悩まされている。
言うまでもなく、俺はそのままその唇を塞いだ――。
チャプン……。
甘い薔薇の香りがする風呂に身を沈める。
まるでホテルのように立派な風呂は紗羅のお気に入りだ。