人魚姫の涙

「愛してる。誰が何と言おうと、間違っていようと、俺は紗羅と一緒に生きていく」


壊れてしまいそうなほど、紗羅の体を強く抱きしめた。

離れたくなくて、離したくなくて、必死だった。

微かに瞳を潤ませて微笑む紗羅を見て、その唇に気持ちのすべてを乗せてキスをした。



「「誕生日おめでとう」」



唇が離れた瞬間。

2人で声を揃えて、そう囁いた。

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