人魚姫の涙

――…大好きな成也。

産まれた時から一緒だった、私の王子様。


優しい目で私を見つめる成也が好き。

耳元で囁かれる、痺れるほどの甘い声が好き。

私の髪を優しく撫でる大きな手が好き。


大好きで。

大好きで。

ずっと一緒にいたかった。


でも。

私じゃ成也を幸せにできない。

成也の夢を叶えてあげられない。


私じゃダメなんだ――…。


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