人魚姫の涙
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「はぐれるなよ」
「うん!!」
瞳を輝かせながらキャンパスの中を歩く紗羅。
まるで子供のようにキョロキョロしながら、嬉しそうに笑っている。
その姿を見た生徒達がすれ違い様、驚いたように振り返っていく。
でも、その気持ちは分からなくもない。
真っ白な陶器の様な肌に、日本人離れしたドールフェイス。
栗色のフワフワの髪が、ピンクベージュのワンピースの上で踊っている。
まさに妖精さながらだ。
「すごいね、日本の大学って。とっても近代的!」
「そうか?」
「そうだよ。あ、ねぇあれは何!? 凄い凄い! あっちは!?」
そんな容姿とは正反対に、子供の様に瞳を輝かせてはしゃぐ紗羅。
天真爛漫という言葉が似合う。