人魚姫の涙
18年ぶりに成也に会えると思うと、嬉しくて仕方なかったの。

ずっと会いたいと願っていたから。


だから成也と再会して一緒に住む様になってから、私の気持ちはどんどん大きくなっていった。

好きって気持ちがどんどん大きくなっていった。

昔から私の王子様だった成也。

思い出の中だけの成也が、現実で私の名前を呼んで、一緒に話して、笑いあって――。

そんな日々が、本当に夢みたいだったんだよ。


幸せで幸せで。

ずっと一緒にいたいって思った。


でも、神様は意地悪だね。

ずっと欲しかったママは成也のママで。

私と成也は兄妹で。

その事実は変わらなかった。


悲しかった。

いっぱい泣いた。

どうすればいいか分からなかった。
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