人魚姫の涙
「悪い……少し一人にさせて」
「――…分かったわ。でも、少しでもいいから食べなさい」
「分かった」
俺の返事を聞いて僅かに微笑んだ母さんは、また静かに部屋を後にした。
扉が閉まった事を確認して、重い体を持ち上げる。
フラフラと引き寄せられるように机に向かい、引き出しを開ける。
あの日、紗羅が置いていった手紙。
紗羅の字を見て、また胸が苦しくなった。
涙で湿った封筒を開け、手紙を取り出そうとした時。
「――ん?」
引き出しの奥に、見慣れない封筒が一つ見えた。
徐にそれを取り出して、目の前に掲げる。
なんだ?
コレ?
封を開けて、それを開いてみる。
すると、その中には一枚の便せんが入っていた。
そこには、紗羅の字で何かが書かれていた。
その瞬間、ドクンと心臓が大きく鳴る。
世界から音が無くなって、それしか見えなくなる。
「――…分かったわ。でも、少しでもいいから食べなさい」
「分かった」
俺の返事を聞いて僅かに微笑んだ母さんは、また静かに部屋を後にした。
扉が閉まった事を確認して、重い体を持ち上げる。
フラフラと引き寄せられるように机に向かい、引き出しを開ける。
あの日、紗羅が置いていった手紙。
紗羅の字を見て、また胸が苦しくなった。
涙で湿った封筒を開け、手紙を取り出そうとした時。
「――ん?」
引き出しの奥に、見慣れない封筒が一つ見えた。
徐にそれを取り出して、目の前に掲げる。
なんだ?
コレ?
封を開けて、それを開いてみる。
すると、その中には一枚の便せんが入っていた。
そこには、紗羅の字で何かが書かれていた。
その瞬間、ドクンと心臓が大きく鳴る。
世界から音が無くなって、それしか見えなくなる。