人魚姫の涙
「俺が必ず、紗羅を迎えに行く」


果たせなかった、幼い日の約束を告げる。

あの日交わした、幼い頃の約束を。


どこに行っても、どこにいても、俺が紗羅を迎えに行く。

俺の居場所は、紗羅の隣だから。


俺の言葉を聞いて、再び涙を浮かべた紗羅。

それでも、嬉しそうに笑って大きく頷いた。


「うん!」


オレンジ色の世界で幼い日の約束を果たし、これからの約束をした。

二度と離れないように、その手を握って。
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