ノンフィクションにご注意を
出入口から申し訳なさそうにこちらを見る芙美さんに、『逆に何もしなさ過ぎて大変でしたよ』なんて言えっこない。


「あ………大丈夫です」


「もうお母さん、私もう中3なんですけど!子供扱いしないでよねっ!!」


フグみたいに頬を膨らませて怒る溝渕に「摩友子は変な所で抜けてるからねぇ~~」と言いながら、芙美さんは立ち去った。


「失礼しちゃうな……だけど晩ご飯の準備手伝わなきゃ……許斐君、マンガありがとう。面白かったよ!」


「…オレも行く」


ササッとマンガを本棚に戻して部屋から出て行こうとする溝渕に続き、オレも立ち上がった。
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